長男と長女と ~まずは長男の2022中学受験~

子育てと長男の中学受験(2022年)を中心にした雑記です。

読書メモ(数学者の本)

長男が最近読んでいるのは、「マインクラフト ジ・エンドの詩」。

 

マインクラフトの本はこれで3冊目。

3冊も買うくらいなので、面白いのでしょう(父は読んでいないので、内容はわかりません。)。

長男は、ゲームの攻略本も好きで、隅から隅まで読んでいます。

 

父(文系)は、長男とは違って、10代の頃はほとんど本を読まず、22、23歳の頃から突然本を読むようになりました。20代の半ばからは、数学者に興味を持ち、たまにですが数学者に関する本を読んでいます。

今回、読んだのは、「ボクは算数しか出来なかった」(小平邦彦)。

 

本書は、1986年2月に日経新聞に連載された「私の履歴書」に加筆したものだそうです。

小平邦彦先生は、数学者で、日本人初のフィールズ賞受賞者です。

フィールズ賞を受賞した日本人は、小平邦彦氏、広中平祐氏、森重文氏の3名だけ(2020年8月現在)。

森重文先生の受賞が1990年とのことですので、30年ほど日本人受賞者は出ていないようです。

広中平祐先生については、20年以上前の話ですが、父は予備校の成績優秀者の表彰式(?)でお目にかかったことがあり、貴重なお話を聞く機会に恵まれました。

 

小平先生は、東京府立第五中学校(現在の東京都立小石川中等教育学校の前身のようです。)時代に、藤原松三郎著『代数学』を買ってきて読みはじめたそうです。同書は、第1巻が600ページ、第2巻が800ページもある代数学の専門書だそうです。(「ボクは算数しか出来なかった」)

偉人は、すごいですね。中学生や高校生のときに専門書を読もうということすら思いつきませんでした。教科書や受験参考書でも理解不十分でしたから。

ちなみに、「代数学」(藤原松三郎)は、現在、改訂新編を購入できるようです。

 

「ボクは算数しか出来なかった」で印象に残ったのは、次の内容(もちろん、他にも印象に残った内容はありますが、勉強面で。)。

「『代数学』を読むのは決して楽ではなかった。わからない証明をわかるまで何度も繰り返し、ノートに写したりして苦心惨憺した。そのときの経験によると、わからない証明も繰り返しノートに写して暗記してしまうと、自然にわかってくるようである。現在の数学の初等・中等教育ではまずわからせることが大切で、わからない証明を丸暗記させるなど、もっての外ということになっているが、果たしてそうか、疑問であると思う。」

 

昔の寺子屋では、意味が分からないままでも「論語」などをひたすら音読していたようで、暗唱するくらいまで音読しているといつの間にか意味がわかるようになるという話を読んだことがあります。

 

どうしても理解できないものは、理解できないままでも暗記する、というのは勉強法として効果があると、経験上、個人的にも思っています。凡人のおっさんの考え、経験にすぎませんが。

長男や長女が勉強で壁にぶつかったとき、教えてあげようと思います。

もちろん、偉い先生が言っていた勉強法として。

 

でも、かなりの集中力と根気を要しますよね。

だって、ポイントは、「繰り返し」ではなく、「暗記」する、ですよね。

小平先生のような天才であっても、繰り返して暗記していますから(『代数学』にのっている証明は、内容の複雑さ、難解さだけでなく、分量も相当なもので、何ページにもわたる証明でしょうし。)。

天才ではない普通の人は、どのくらい繰り返せばよいのやら。

もちろん才能も必要だと思いますが、もしかすると、実際に暗記するまでやり切れるかどうかが、天才とそうでない普通の人とを分けているのかもしれません。

天才に興味があって、天才に関する本を読みますが、天才は才能だけでなく、努力も尋常じゃないくらいしていますし。